マインドフル セルフ・コンパッション

林 幹浩さん(産業医・経営者)

講師岸本の京大研究室の研究員の先生からのご縁でお会いした産業医かつ起業家の林 幹浩さん。産業医としてご活躍で、ご自身もアクセプタンス・コミット・セラピーなどを学ばれていて、マインドフルネスへの理解を深めていらっしゃるかたで、これからのますますのご活躍が楽しみです。8週間のマインドフル セルフ・コンパッションMindful Self-Compassion (MSC)に参加していただいてその感想を聴かせてくださいました。

Q: 沈黙の瞑想リトリートでの発見は?

A: リトリートでは、黙ったままで4時間、セルフ・コンパッションの瞑想を中心としたエクササイズをやりましたが、その中で私なりに大きな発見がありました。

いろいろなエクササイズの最後に、部屋の中を歩きながらラビング・カインドネスやコンパッションのメッセージを自分に対して言っていくというものがありました。

「私が幸せでありますように、私が苦しみから解放されますように」といったメッセージを心で唱えながら歩いていくように、というインストラクションがあって、そのあと最後のところで、「今部屋の中をみんなで歩いているけど、あなたの視界に入った、前にいる人に対して『あなたが幸せでありますように、あなたが苦しみから解放されますように』という風に思いましょう」というインストラクションがありました。

そのとき私にとって新鮮な発見だったのは、ずっとセルフ・コンパッションのワークをやってきて、その日の最後にそういわれたとき、非常にすっと、ストンとそういう風に思えたということです。自分へのコンパッションというプラクティスを経たことが、人へのやさしさや思いやりにとても自然につながっていったという経験をしたと言えると思います。

セッションの中でも、飛行機で酸素がなくなったときにおりてくるマスクを、まずお子さんにつけたいと思うお母さんに「まずは自分につけてください、それからお子さんに」とCAさんから指導を受けるというお話がありましたね。そのことと通じるところがあると思います。頭ではわかっていたつもりでしたが、自分の中にすとーん、とくると、ああそうなんだなと感じる経験をさせていただいたと感じています。

Q: その経験をしてみて、今いかがですか?

A: 私は、セッションを受ける前は「セルフコンパッションというのもねえ」というような印象がありました。自分に向けてっていうのがどういう意味があるのかわからないな、という状態でセッションを受け始めました。しかし、

自分に思いやりを向けて閉じてしまうということではなく、それが一つの礎というか基盤というか手掛かりのようなものとして大事なんだという感じが今はしています。

Q: セッションが進んでいく中で感じたことや発見したことは?

A: スージングタッチ」は思ったよりすごいなと感じました。いやぁ、そういうことをするかなぁ・・というふうに最初は思っていましたが、実際やってみると全然違いますね(笑)。

頭でどういうものかを理解するのと、自分でやってみることは違うなぁ、とあらためて感じました。

マインドフルネスは様々なことがらや思考を「受容」することを大切にしますが、これを「そうしなきゃ!」という感じではなくてやれるように、スージングタッチは、実際自然な姿勢でできるようになるための大きなヘルプになるやり方の一つなのではないかと思いました。

Q: MSCではグループでシェアする時間があります。それに対して感じこと?

A: グループでのシェアはとても大きかったと思います。同じワークをしてもそれぞれ感じ方やとらえ方はこんなに違うんだと気づく場面が多々ありました。シェアすることにウィリングな人たちと話すということがちゃんとしている場なんだなと感じられました。そういう風にファシリテートしていただいているからだと思います。

皆さん自分の中での苦しみやつらさを持っているけれど、自分にコンパッションを向けて、自分がどうつらいかということをある程度シェアしていこうとされている。サンガですね。みんながそれぞれそうしようとしていらっしゃるんだ、というところが「安心できる」場をつくっていた、心理学でいう「心理的安全性」をつくっていたのではないかと思いました。

Q: 講師に対して、こういうところがよかった、印象などあれば

A:リードの言葉のかけ方やトーン、時間の流れをつくるところなどさすがだなと思いました。

Q: 今後これからMSCを受けてみようかなと考え中の方へのメッセージをどうぞ

A:自分への思いやり」と言葉だけで聞くと、自己満足するために何かやるのかというような印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで行うことはそうではないとやってみてわかったように思います。

自分の中で自分は大丈夫なんだということを見出していくこと、それが一つの出発点であり、礎となるようにしてゆくということなのかなと思っています。自分に閉じてしまうのではなく、その先に展開していくものだというイメージでとらえられていいのではないかと思います。

 

匿名(男性・企業勤務)

体験の感想を綴ってくれたAさん。Aさんとは、オリエンテーションでお会いした時から真摯でオープンな態度でMSCにお越しくださっていて、着実に変容なさっている姿が印象的でした。

お一人お一人それぞれに変容のプロセスやペースがあります。セルフ・コンパッションを自分に与えることは、苦しみと直面したり、様々な心の動きが立ち現われることもあるため、生易しいものではなかったと思いますが、「自分自身に嘘をつかず、逃げずにプログラムを終えることができた」Aさんの気づきや内面の強さに敬意と感謝の気持ちです。

セルフ・コンパッションはすでに自分の内側にあるもの 育めるもの

 

“普段ITサポートエンジニアとして働いていますが、ストレスから体調を崩したり、休職される方が増えてきていると感じています。自分自身にも起こりうることであり、他人事とは思えなかったため、様々な心理学に関する本を読みました。その中で「マインドフルネス」や「セルフ・コンパッション」が含まれていたので、MSCに参加する前に「セルフ・コンパッション」について、言葉としては知っていました。

ただ、本を読んだ時には、セルフ・コンパッションは「自分の内側に元々備わっていない、もしくは足りないもの」で、「専門家の方達だけができる特別なテクニック」のように捉えていました

MSC8週間プログラムに実際に参加して、セルフ・コンパッションは、

外から得るもの 」ではなく、「もうすでに自分の内側にあるもの 」で、「育んでいくもの 」なのだということに気づきました。また、グループワークやホームプラクティスの中での体験から、「セルフ・コンパッションは育めるもの 」ということを、少しずつ実感することもできました。

私は完璧主義に陥りがちなところがあって、漠然とした不安感や焦りを常に感じていましたが、泥がついていることを「共通の人間性 Common Humanity」として理解し、「焦らなくていいよ」と思いやりを向けてあげることで、以前よりも今の自分を受けいれることができるようになってきた気がしています。

また、グループワークやリトリートの中で、「自分自身だけでなく、人にコンパッションを向けることが自分にもできる」ということを感じました。

和敬清寂、”The Guesthouse”(Rumi)、”No Mud, No Lotus” にあるように穏やかで落ち着いた心を保ちながら納得のいく人生を生きていきたいと思います

苦しさを感じることや、若干不安定だった時期もありましたが、講師の早苗さんやMSC5期受講生の方々が受けいれてくださったお陰で、自分自身に嘘をつかず、逃げずにプログラムを終えることができたのだと思います。

MSC8週間のプログラムは終わりましたが、これからも心を耕し、セルフ・コンパッションを育てていきたいと思います。その副産物として、自分自身や自分に関わってくれる人たちによい影響が生まれればいいなぁと思っています。”

 

秋山美紀さん(看護師)

秋山さんは、2017年のMSC2日間コアスキルトレーニングに参加後、2017年末から年明けにかけて8週間プログラムにもお越し下さったかた。看護職へのセルフ・コンパッションの研究を続けながら、ご自身のMSC体験をグッと深めてくださいました。

Q.  MSCを受けて、印象や感想を教えてください。

これまで他の人への思いやりは持てていたけれど、自分への思いやりって持っているつもりでも、おろそかにしていたことに気づきました。自分への思いやりがすごく増えて、今は自分の一番の友達が、自分自身だと思っています。

毎回参加するのが楽しみでした。今まで習い事などでもこんなに楽しみに感じたことはなく、本当に参加してよかったです。セッション中にした内容で心に残ったのは、「自分自身への手紙」を書いたことと、「思いやりをもって他者の話を聴く」エクササイズです。

Q.  セルフコンパッションをしたことでの効果や変化を教えてください。

一番感じているのは自分がとても強くなったということです。

以前は人の顔色を常にうかがって合わせることばかりだったけれど、今は自分を曲げてまで人と合わせるということは本当に少なくなったと思います。事情によって他者に合わせなければいけない場面もあるけれど、そういう場面でも自分をしっかり持って柔軟に対応できるようになりました。自分が理解したうえで人に合わせているので、あとで落ち込んだりすることもなく、納得のいくようなやり取りができていると思います。

Q.  講師に対する感想を教えてください。

すごく優しく、毎回とても癒されていました。8週間のプログラムの間に私生活で本当につらいこともありましたが、毎回プログラムで岸本先生と会うということをとても楽しみにしていました。

 

マインドフル セルフ・コンパッション(Mindful Self-Compassion: MSC)

林令奈さん(医師)

2017年にMBSRやMSCの体験ワークショップにお越し下さっていた林さん。今ご自身に必要なのはMSC!と、まずはMSCの8週間プログラムを選択して参加してくださいました。MSCの後、今MBSRに参加してくださっているので、MSCそしてMBSRの体感の感想も今度ぜひ聴かせてください。

Q.  MSC8週間プログラムに参加して、意外だったことはありますか?

最初はイメージしていたものと違っていて、「こんなものが役に立つのか」とずっと思いながら参加していました。しかしそれをある段階から越え、「これはすごい」と気づき始め、ものすごくパワフルになっていく自分を感じることができました

Q.  セルフ・コンパッションをしてみて、実感していることは何かありますか?

自分を休ませる時間を日々をもてているということ。自分のために時間を使っているという意識も増えたし、意識して時間をとれるようになってきたと思います。今までは常に他の人のことや、起こっている出来事や物事に振り回されていた時があって、そうじゃない時間もあるということがとても良いと思っています。

Q.  沈黙の瞑想リトリートはいかがでしたか?

瞑想千本ノック状態で湯治にいってしっかり自分を癒しきる!というような感じでした。終わった後の爽快感がすごくあって、瞑想はやはりいいなあと思いました。

Q.  一緒に回を重ねたメンバーに対して感想はありますか?

普段会う人とは全然違う環境にいる人たちなので、大丈夫かなという不安はありました。ただ結局、みんな一緒だということを感じました。自分と全然違うタイプの人でも、ああそういうことはあるんだな、と感じられてよかったです。皆さんセルフ・コンパッションを学んでいるということもあって、とても温かく、受け容れてもらっているという感覚が回を追うごとに生まれて、そういう環境だからこそMSCを学べたと思いました。

Q.  プログラムへの参加を検討中の方へのメッセージ

瞑想を自分で始めることはなかなか大変だし、一人でやってみてもうまくいってるのかわからない。プログラムに参加したからといって「これがうまくいく」ということを教われるわけではないけれど、一定時間この日はこの時間、と決めてやっていくことは練習になる。さなえさんのリードで進みながら、フィードバックも得られながらできることはすごくプラクティスとしてよいと思います。

体験してみたいというだけの人でもぜひやってみたら、やってみたほうがいいよと思います。ぜひさなえさんのMSCをお勧めします。効能抜群の湯治に行くと思ってぜひやってみてください!