京大での遠隔マインドフルネス臨床研究

京都大学大学院医学研究科 健康増進・行動学教室では2016年より、アトピー性皮膚炎患者さんへの遠隔オンライン・グループ形式のマインドフルネスおよびセルフ・コンパッションの臨床研究の準備をはじめ、予備試験を経て、エビデンスの質の高いランダム化比較試験を行なっています。参加協力者を募集中です。

患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(生活・人生の質)向上につながる治療への貢献を目指し、アトピー性皮膚炎をもつ患者さんやご家族、アトピーや臨床研究、マインドフルネスを専門にする大学教員、医師、臨床心理士によるチームが実施しています。

質の高いチーム医療を行なう上で、患者さん本人の声は必要不可欠です。米国マサチューセッツ州では、臨床、教育、管理、研究のそれぞれの場面に、ご自身が患者さんやご家族としての経験のある方にアドバイザーとして入っていただく取り組みが徐々に進み、州内の全ての病院に患者・家族アドバイザリーカウンシル (Patient Family Advisory Council: PFAC)を設置することが2008年から義務づけられました。

この研究においても、患者さん本人にとってより意味のある治療を開発できる臨床研究となるよう、数名の方に患者・家族アドバイザーとしてチームに入っていただき、予備試験後に患者の視点を反映して臨床研究計画を練り直し、倫理委員会の審査を承認を得て、行なわれています。PFACの実施にあたっては、ハーバード大学の病院でPFACを共同創設し患者家族中心チームケアの文化を育ていらっしゃる Martie Carnieさんにご助言をいただきながら進められています。

詳細内容やご参加協力への申込みはこちらから。京都大学 アトピー性皮膚炎への遠隔マインドフルネス臨床研究 

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マインドフル セルフ・コンパッション with クリス・ガーマー&岸本早苗(2018)

ハーバードの産婦人科での医療の質管理者の仕事を退職し、帰国してもうすぐ5年を迎えます。2018年秋に、ハーバードでの恩師クリス・ガーマー先生と、日本でマインドフル セルフ・コンパッションMindful Self-Compassion (MSC)をco-teachさせていただく機会に恵まれました。
5日間集中プログラム実行委員としてご尽力・ご助言をいただいた医師・看護師・臨床心理士の方々や、事務局運営をリードしていただいた鳥羽瀬有里さん、素晴らしい通訳をしてくださった海老原由佳さん、5日間集中プログラムにお越しくださった皆さまお一人お一人に心から感謝しています。
クリスとのMSC5日間集中プログラムにお越しくださった方の中から3名の方が、講師となっていくトレーニングに新たに今月参加されたとのこと。おめでとうございます。皆さまの門出を祝うとともに、MSCにご関心のあるかたが国内で受講できる機会がさらに広がっていくことを願っています。

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「リシェス」 心・体・肌を清めて美しく〜心と脳を清める

Richesse(リシェス:ハースト婦人画報社)No.30 の中での「心・体・肌を清めて、美しく」でマインドフル セルフ・コンパッションについて取材をしていただきました。『最高の休息法』の著者で精神科医の久賀谷亮先生は脳の休息について、岸本は心の強さが高まるセルフ・コンパッションについて紹介しています。

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多文化間精神医学会

多文化間精神医学会(大会長 京都大学精神医学教室 村井俊哉教授)にてスティーヴン・マーフィー重松先生(スタンフォード大学医学部「ハートフルネス・ラボ」主宰・臨床心理学博士)の特別講演「Mindfulness in Japan and United States」で上床輝久先生とともに岸本も座長を務めさせていただきました。


ご講演の中で、米国での医療従事者への教育としてご紹介された以下のお話がとても印象的でした。

ハーバード関連病院マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital:MGH)でアフリカ系アメリカ人としては初めて教授になったChester Pierce医師(精神科医)は、医療従事者が患者と向き合い、相手を理解していくための重要な方法は、まず、医療従事者自身が自分自身を知り、自分の体験を理解することだと教えていたというお話。

そして、Richard Katz博士(ハーバード大学・臨床心理学者)は、間違いが起きて悩む医療従事者に対して、間違いをおかすこと自体はOK、間違いから学ぼうとオープンになること、そして自分自身のヴォルナラビリティ・自分の持っている弱さに気づき受容していくことが大切だと説いていたというお話でした。

私自身、ボストン在住時にMGH産婦人科で医療の質・患者安全の管理者として働いていた中で、仕事として関わっていたことと、今回のご講演での学びには重ね合わせることが多々ありました。

重松先生のご講演では奥様のマーフィ重松ちなさんにもご尽力をいただき、すばらしいご講演のひとときとなりました。ハートフルなご講演をありがとうございました。

 

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マインドフルネスストレス低減法8週間プログラム

大阪大学医学部キャンパス内でのマインドフルネスストレス低減法(Mindfulness Based Stress Reduction  MBSR)8週間プログラムを終えました。

全員の方が8週間を共に成し遂げて、皆様とセッション8を無事に迎えられたことを感謝しています。

他の参加者の方々の「完璧ではない」様子からこそ、お互いに洞察が深まり、まさに”Practice makes imperfect” マインドフルネスを練習すればするほど、自分や相手、物事が完璧ではないことを許容する力が耕されていた様子が印象的でした。MBSRのプログラムの持つ力や、心理的に安全で信頼できるグループ形式ならではの力を改めて感じました。

MBSRは普段の生活での実践や気づきこそが大切で、そこをサポートするものとして瞑想なども行ないます。

沈黙の瞑想リトリートは、秋景色の残る京都・下鴨の畳の上で静かに行ないました。ボディスキャンやマインドフル・ムーブメント、味わって歩く瞑想や、食べる瞑想、呼吸の瞑想など。木々を眺められる2階のお座敷にて。

 

オーガナイズをしていただいた阪大医学部保健学科の教員・院生の皆さま、参加してくださったみなさま、たくさんの学びをありがとうございました。MBSR8週間プログラムは7回目でしたが、初心に立ち戻り、こちらが教わることに溢れていて、最後の振り返りは感動のひとときでした。

 

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アトピーへの遠隔マインドフルネス臨床研究

京都大学では、アトピー性皮膚炎の患者さんに自宅から参加できるオンライン・グループ形式のマインドフルネスや自分への思いやりのプログラムを臨床研究として提供しています。18歳以上の患者さんでご関心のある方は、スマイルスタディのウェブサイトをご覧ください。

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マインドフル セルフ・コンパッション8週間プログラムを終えました

マインドフル セルフ・コンパッション(Mindful Self-Compassion MSC)8週間形式のプログラムでは7回目。7回目は京都で開催し、京都大学マインドフルネス&セルフ・コンパッション研究会(精神科医 上床輝久、臨床心理士 岸本早苗 共同発起人)のメンバーも参加しました。2016年に国内で初めてMSC8週間プログラムを開催した際に場をお借りしたmanjuさんにて。瞑想のリトリートでは秋晴れの京都御苑を散策しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

半数近くは以前の8週間や5日間形式の受講者が申し込んでくださいました。初回の懐かしいメンバーでお届けできたことや、1年〜3年を経て再度受講してくださった方とMSCの旅をまたお供できたこと、そして新たにMSCを知ってくださった方との出会いに感謝しています。

感情を揺さぶられることもあるセッションの中で、休憩時間はホッとできるひととき。毎回手作りのお菓子を差し入れてくださったパティシエの方や、あたたかい出来立てハーブティーなどを用意してくださったmanjuさん、ありがとうございました。参加者の皆さんにとって、小腹が満たされ、心が満たされ和む、かかせないひとときとなりました。

 

 

自分を知り、そのままの自分を受け容れることができた。こんなにも心を開いて安心できるとは思わなかった。

安心して、コアバリューに沿った人生を生きられる。

と参加者の方からフィードバックをいただきました。参加者皆さんや講師とともに信頼できて安心できるグループ文化を育てながら8週間の自己探検の旅を続けるMSC。

MSCの講師トレーニングを受ける方がこれからも少しずつ増え、国内でもMSCに興味を持ってくださる皆さんにとって受講できる機会が増えていくことを願っています。

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「マインドフルネスを活用! 自分を労わるメンタルエクササイズ」

『婦人画報』にマインドフルネスを土台にしたマインドフル セルフ・コンパッションの紹介記事を掲載していただきました。心をいたわり、心が強くなるヒント。『ヴァンサンカン』や『ELLE girl』と同じ内容です。

「マインドフルネスを活用! 自分を労わるメンタルエクササイズ【前編】」

「マインドフルネスを活用!自分を労わるメンタルエクササイズ【後編】」

「日常のちょっとした瞬間に心を鍛える「マインドフルネス」を活用した心のエクササイズで、疲れが出やすいこの季節、自分自身のケアに力を入れてみませんか。」(『婦人画報』twitter

(マインドフル セルフ・コンパッションMSCはクリスティン・ネフとクリス・ガーマーによって共同開発されたプログラムです)

(写真:ハースト婦人画報社)
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「自分に優しくするのが効果的! マインドフルネスで心のエクササイズをしよう」

ハースト婦人画報社さんからの取材を受けて、世界メンタルヘルスデーの今日10月10日、マインドフル セルフ・コンパッションの心のエクササイズを紹介する原稿をヴァンサンカンやELLE girlの記事に配信していただきました。多くの女性たちの心が清められ、健やかに生きられますように。

(写真:ハースト婦人画報社)

(写真:ハースト婦人画報社)

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