長年にわたり知の創造・交流を支えていらっしゃる、慶應義塾の社会人教育機関 慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)で拙著「自分を思いやるレッスン〜マインドフル・セルフ・コンパッション入門」を紹介していただきました。
金剛出版主催 セルフ・コンパッション連続講座
石村郁夫先生によるコンパッション・フォーカスト・セラピーと岸本早苗によるセルフ・コンパッション(MSC マインドフル・セルフ・コンパッションの一部)を紹介する専門職への連続講座(全6回)が金剛出版主催で開催されます。今回は、医師、看護師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士等、医療や福祉、介護、教育分野での対人援助職の専門資格を有する方のみが対象となります。人へ教えるための指導講座ではなく、あくまでご自身がセルフ・コンパッションを体験的に学ぶなかで自分のあり方を育む趣旨で行われます。詳細についてはこちらのページをご覧ください。
※おかげさまで、お申し込み受付後すぐに満員となりました。定員を増やして現在も受付中とのこと。お申し込みやお問い合わせは上記リンクを通じて金剛出版へお願いします。

うつ病の治療に関する系統的レビュー・ネットワークメタ解析
「自分を思いやるレッスン〜マインドフル・セルフ・コンパッション入門」(大和書房)
単行本「自分を思いやるレッスン 〜マインドフル・セルフ・コンパッション入門」(大和書房)を出版しました。編集者のかたに京都大学まで足を運んでいただいて出版の企画をいただいたのが2年半前。大切に心を込めて綴りました。
2016年に日本でマインドフル・セルフ・コンパッションを教え始め、私自身や受講してくださる方々の心の深遠に触れながら、残りの命をいとおしみながら、人生を丸ごといたわり味わう情感ある旅のお供をさせていただいていることに改めて感謝しています。
マインドフル・セルフ・コンパッションは、マインドフルネスをベースに心理臨床をなさっていたクリス・ガーマー博士(ハーバード大学)と、セルフ・コンパッションの研究者クリスティン・ネフ博士(テキサス大学)が2010年に開発された心理教育プログラム。
本書では、私自身の人生での体験や、これまでプログラムに参加してくださった方々のご体験を交えながら、ランダム化比較試験でエビデンスが報告されている8週間のプログラムをわかりやすく解説しています。今いる人生の場所からいつでも再訪し、時折ページをめくっていただけるような本になれたらうれしいです。
序文を書いていただいた、ハーバードでの恩師クリス・ガーマー先生にはボストン在住時から学びの機会をいただき、2018年には京都でのマインドフル・セルフ・コンパッション5日間プログラムを共に教えるすばらしい機会に恵まれました。
マインドフルネスの本との初めての出会いは、ジョン・カバットジン博士(マサチューセッツ大学)のご著書 “Wherever you go there you are” (1994)でした。この本をプレゼントしてくださったのは、敬愛する心理療法家の故スーザン・ヴォーゲル先生で、ボストン留学中の2008年のことでした。スーさんは、ハーバードの学生たちのカウンセリングをなさったり、臨床家への指導にも注力され、故エズラ・ヴォーゲル Ezra Vogel先生とともに日本にお住まいになったこともあるかた。芯があり、心根が優しくてあたたかい、本当にすてきなかたでした。

“Wherever you go there you are”の翻訳本・邦題「マインドフルネスを始めたいあなたへ」や、私の講義でもよくご紹介している「マインドフルネスストレス低減法」(ジョン・カバットジン著の翻訳本)などの翻訳書とともに、「セルフ・コンパッション 新訳版」や、単行本「自分を思いやるレッスン」を飾っていただき、丸善さんに心からお礼を申し上げます。

たくさんの新刊が生まれているなかで、有隣堂・アトレ恵比寿店さんでは、「自分を思いやるレッスン 〜マインドフル・セルフ・コンパッション入門」もおすすめの本の1冊に選んでいただき、本当にありがとうございます。いくつかの書棚にていねいに飾っていただき、感謝しております。


この本ができるまでの道のりでお世話になったたくさんの方々、お一人お一人に心からの感謝を込めてー。
「セルフ・コンパッション 新訳版」(金剛出版)

クリスティン・ネフ博士が10年前に出版なさったご著書「Self-Compassion: The Proven Power of Being Kind to Yourself」の新訳版(金剛出版)が先月出版されました。共同監訳の一人として岸本も入らせていただきました。
日本では、7年前に「セルフ・コンパッション」(クリスティン・ネフ著)の初版翻訳本(石村郁夫・樫村正美訳)が出版されました。多くのかたの心に響く素晴らしい書です。私がマインドフル・セルフ・コンパッションMSCのプログラムを受けたのも、偶然に同じ頃でした。
MSCの会場はマサチューセッツ州アーリントン。写真は当時休憩時間に撮ったもの。この街は、25年くらい前に飾っていたカレンダーに水彩画で描かれていた地でした。当時は闘病生活で自宅で過ごしていましたが、まさか自分が自由に外出できるようになったり、お気に入りの水彩画風景のあるマサチューセッツに暮らすことになったりするとは想像もしていませんでした。
セルフ・コンパッションの研究者のクリスティン・ネフ博士がご著書「セルフ・コンパッション」を綴られていた時は、クリストファー・ガーマー博士(マインドフルネスをベースに心理臨床をなさっていた臨床心理学者)とちょうどMSCのプログラムを開発中だったとのこと。そのご様子もご著書の中でほんの少しですが触れられています。
年月を経て、「セルフ・コンパッション新訳版」の監訳チームに入らせていただいたご縁に感謝しています。

〜「セルフ・コンパッション 新訳版」刊行記念トークセッションのお知らせ〜
初版を翻訳、新訳版を監訳なさった石村先生とのオンライン対談イベントが、金剛出版さん主催にて開催されます。ご質問の受付は8月17日夕刻までのようです。
ネフ博士ご自身が、苦悩を感じることに心を開いて、その苦悩にセルフ・コンパッションとともに寄り添ってきた歩みをオープンに綴っていらっしゃる本書では、学術的な説明も豊富な本格的な書です。読者お一人お一人にとって、心に刻まれる大切な本となりますに。
刊行記念トークセッションでは、監訳者の私たち自身とセルフ・コンパッションとの繋がりや、セルフ・コンパッションの活用術などを対談予定です。

医療領域で働くひとのためのセルフ・コンパッション
マインドフルCAREでは、医療領域で働く方々を対象としたセルフ・コンパッションのグループ・トレーニングをオンラインZoom上で病院や診療所に勤める臨床医や病院経営者層の方々と、現在実施中です。
Self-Compassion Training for Healthcare Communities (SCHC)と呼ばれるこのプログラムは、科学的なエビデンスが報告されているマインドフル・セルフ・コンパッション MSC (テキサス大学のクリスティン・ネフ博士とハーバード大学のクリス・ガーマー博士による共同開発)をベースに、医療職など医療現場で忙しく働く医療従事者を対象にセッションの時間を短縮し、現場で感じるニーズにより寄り添いながら体感できるプログラムとして応用されたものです。
近年の研究では、医師の燃え尽きやウェルビーイングに関する研究や、それに対するマインドフルネスやセルフ・コンパッション(自分への思いやり)による効果検証が進められています。女性医師では一般集団に比べて自殺リスクが高いことも報告されています。
医療専門職として大切にしたい想いや使命を抱きながら、臨床で感じるストレスや、組織風土や勤務体制、求められるありかたや価値観等との葛藤、新型コロナウィルスによる影響が続くなかでさらなるストレスや負担を感じているかたはきっと多いのではないでしょうか。
もともとMSCは、自分の内側を丁寧に見つめるプログラムですので、週1回3時間弱を8週間かけてじっくりと自分を思いやる冒険をします。
週1回1時間を6週間でおこなうSCHCは簡易版になりますが、自分や他者への思いやりやマインドフルネス、ストレスや抑うつ感、そして医療従事者として人をケアする立場ゆえに感じうる2次的外傷性ストレスや燃え尽きへの効果について米国では報告されています。
忙しさゆえになかなか長時間のフルのプログラムにまでコミットできないかたや、医療領域ならではのストレスを身をもって感じているメンバーとともに受講したいかたにとっては、きっと力になる内容だと感じています。
患者さんやご家族、チームを大切にしながら自分のことも大切にしていい。医療領域で働くひとのためのセルフ・コンパッション SCHCを受けていただく機会が増えていきますように。
京大テックフォーラム「企業におけるマインドフルネスの可能性 ~企業導入から新規事業開発まで~」
講演1
藤野 正寛 (京都大学オープンイノベーション機構 特定助教)
「マインドフルネスの心理・神経メカニズムと可能性」
企業導入の事例紹介
パナソニック株式会社 からパネラーを2名お呼びして、お話を伺います。
「マインドフルネスを企業に広めるために必要なこと」
「マインドフルネス×ホテルをテーマとした新規事業」
講演2(マインドフルネス体験実践を含む)
岸本 早苗 (京都大学大学院医学研究科 客員研究員)
「臨床におけるマインドフルネスのエビデンスと体験実践」
「セルフ・コンパッション 〜リーダーが自分を思いやることで組織が豊かになる」
医学書院の専門雑誌・看護管理11月号「セルフ・コンパッション 〜リーダーが自分を思いやることで組織が豊かになる」特集の監修・執筆をしました。
2005年〜2015年のボストンでの経験を交え、ハーバードの大学病院 マサチューセッツ総合病院で産婦人科専任の医療の質の管理ディレクターをしていた経験などをもとに、セルフ・コンパッションやマインドフルネスについて概説しています。

「医療専門職の心の健やかさが医療の質・安全を高める」という視点に立ち、ハーバードなどで取り組まれている思いやりのこもったケア、思いやりのある組織文化のあり方、ハーバード大学の福利厚生の一環としてのマインドフルネスなどについても綴っています。
看護管理職のかたに限らず、セルフ・コンパッションやマインドフルネスについて基本的な説明や、科学的なエビデンスが報告されているマインドフルネス ストレス低減法、マインドフル・セルフ・コンパッションについてもわかりやすく紹介していますので、ご興味のある方にはぜひご覧いただけますと幸いです。

英国大使館・総領事館でのオンライン マインドフルネス&セルフ・コンパッション
英国大使館・総領事館の職員やご家族の方々とのオンライン マインドフルネス&セルフ・コンパッション。
心配な状況での在宅勤務やストレスが積み重なるなか、COVID-19 Japan Network Wellbeing Teamのオーガナイズのもと、毎週平日午後、お仕事の合間の30分間のマインドフルかつ思いやりのひとときをもっていただくシリーズを開催しました。
昨年は総領事館にて対面で行いながら、大使館の職員の方々とはライブ・オンラインで繋いで東京・大阪の職員の皆様とハイブリッドでご一緒していましたが、今回のシリーズでは、英国大使館・総領事館ともにオンライン。より多くの方がご自宅から参加でき、英語での開催となりました。
パソコンをみることからも離れ、
自分に立ち止まり、見つめる時間。
自分を思いやりながら、周りも思いやる。
ご家族や犬とともに、いたわりのひとときを過ごしてくださったかたもいらしたようです。
職員やご家族の方々のウェルビーイングを大切にする英国大使館・総領事館の取り組みに敬意と感謝を込めて。
私達マインドフルCARE®︎では、参加者の皆様の健康を第一に、自分への思いやりを通じて、他者への思いやりを大切にし、社会へ思いやりの行動をとっていく、というコンパッションの考え方やマインドフルCARE®︎の基本的指針に照らし、当面オンライン形式でのトレーニングを提供して参りますことをご理解いただけますようよろしくお願いいたします。