スタンフォード・ハーバード大学のマインドフルコンパッション教室@京都大学

京都大学でマインドフルコンパッションの体験ワークショップを開催します。

日 時:2018年7月14日(土) 13:00~16:00

会 場:京都大学 吉田キャンパス 医学部構内 G棟 2階 セミナー室A地図参照:18番

主 催:京都大学ヘルシーキャンパス

講 師:スティーブン・マーフィー・重松(スタンフォード大学) 岸本 早苗(京都大学)

マインドフルネスが初めての方、歓迎 です

当日の内容(日本語)
・マインドフルネス の講義と体験
・セルフ・コンパッション (自分への思いやり・慈しみ)の講義と体験

お申し込み京都大学ヘルシーキャンパスホームページからどうぞ

ヘルシーキャンパス企画:「スタンフォード・ハーバード大学のマインドフルコンパッション教室@京都大学」

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痛み Pain × 抵抗 Resistance=苦しみ Suffering

マインドフルネスのクラスの中で、「実在する痛みPain × 抵抗 Resistance = 苦しみSuffering」の話をする際におみせすることのある動画 The Fly(ハエ  by Hangin Song 2006) です。マインドフルネスの体感実践を重ねて、マインドフルネスの対ともいえる「抵抗」を手放していき、痛みが存在してつらい時にせめて自分自身への第2の矢を放たず、不必要な苦しみをふくらまさないで和らげます。

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ボストンでのマインドフルネス&コンパッションとの出逢い(3)

ウィパッサナー/マインドフルネス瞑想を学び続けていく中で、マインドフルネスを心理療法に応用している流れがあることを知るに至りました。

ケンブリッジ・インサイト・メディテーション・センター(CIMC)での会を通じて、スーザン・ポラック博士(臨床心理学者)との出逢いに恵まれ、ジョン・カバットジン博士(分子生物学者、マインドフルネスストレス低減法MBSR開発者)やジャック・コーンフィールド博士(臨床心理学者)、クリストファー・ガーマー博士(臨床心理学者、マインドフル セルフ・コンパッションMSC共同開発者)も関わる、ハーバード大学の臨床心理学者らがとりまとめているThe Institute for Meditation and Psychotherapy (IMP 代表はスーザン・ポラック博士)へ。臨床心理士や精神科医として心理臨床をしている専門職に対する「マインドフルネス&心理療法」認定プログラムに入る道へとつながりました。

(マサチューセッツ州ボストン ビーコンヒル)

ハーバード大学ウェルネスセンターや、CIMC、IMPでの毎日の学びと実践を通じて、マインドフルネスは決して8週間の枠のものではないと実感しています。また、日本にすでにある智慧や思いやり、素晴らしさを強く感じています。

そのことを意識した上で、8週間の集団心理教育プログラムに応用されたマインドフルネスに基づくストレス低減法Mindfulness Based Stress Reduction(MBSR)や、マインドフル セルフ・コンパッション(マインドフルな自分への慈悲 / 自分への思いやりマインドフルネス)Mindful Self-Compassion (MSC)をその後、ゆっくりと学び始めることになりました。

 

(文・写真 Sanae Kishimoto)

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ボストンでのマインドフルネス&コンパッションとの出逢い(2)

受傷後は、ハーバード大学のウェルネスセンター(現 Center for Wellness and Health Promotion)のBeatriz Gonzalez Flecha博士 (ハーバード大学の生物物理学者)のマインドフルネス瞑想クラスの他、Beatriz先生の師匠、ラリー・ローゼンバーグ博士(前 ハーバード大学心理学者)が1985年に創設したケンブリッジ・インサイト・メディテーション・センターCambridge Insight Meditation Center(CIMC) https://cambridgeinsight.org でヴィパッサナー瞑想をさらに深く学ぶことを選びました。

ケンブリッジ・インサイト・メディテーション・センター CIMC(マサチューセッツ州ケンブリッジ)

私がラリー・ローゼンバーグ先生のクラスに初めて参加した時は、ラリー先生がしばらくのお休みからセンターに復帰なさった初日でした。お休みの理由は、ラリー先生も頭部外傷を負っていらしたとのこと。

ラリー先生との瞑想の中で、外傷性脳損傷を取り巻く出来事が瞑想中に鮮明に立ちのぼり、からだの感覚に集中しているため痛みはより鋭敏にやってきます。深い智慧と思いやりに満ちた、信頼するラリー先生に事の説明をし、懸念を打ち明けると、

「Sanae、立ち現れるままに、そのまま観ていなさい、直面しなさい。何が真実か。智慧wisdomと思いやりcompassionとともにclear seeingクリアに観ることに尽きる」とまっすぐに言われます。

瞑想が生易しいリラクゼーションではないことも痛感しましたし、今振り返っても、安全面やプロセス面で瞑想指導者の質の重要さを改めて実感しています。

もともとマインドフルネス瞑想を習い始めていたのは、ハーバードメディカルスクール/マサチューセッツ総合病院に勤務していた際に、私自身のプライベートでの人間関係での失敗を契機に「Non-judgmentalな心の姿勢を自分の中に育てたい」と思ったからでした。non-judgemental (私は「是非を決めつけない」と訳しています)とインターネット検索をかけると、マインドフルネス瞑想の初心者クラス、しかもハーバード大学がもっているウェルネスセンターでのクラスが出てきました。会場は、母校のハーバード公衆衛生大学院、学生時代に講義を受けていた教室です。

その後、radical acceptance(根っこからの受容)や、自分自身へのcompassion(慈悲、思いやり、コンパッション)を包容することの重要性を体感。自分自身にアクセプタンスやコンパッションを与えることで、勇気やオープンさ、温かさとともに、苦しみや悲しみ、傷に光を照らしてあげることができて、瞑想での洞察がより深まる体験を重ねることになりました。

 

(文・写真 Sanae Kishimoto)

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ボストンでのマインドフルネス&コンパッションとの出逢い(1)

ハーバード公衆衛生大学院 Harvard School of Public Health (HSPH)への留学のために住み始めた米国マサチューセッツ州の地。

私はHSPHを修了してからハーバード大学関連病院チルドレンホスピタルボストン Children’s Hospital Boston を経てマサチューセッツ総合病院 Massachusetts General Hospital (MGH) で働きながら、MGHのBenson Henry Institute for Mind Body Medicineでクリパルヨガ (Kripalu Yoga)やヨガニドラ、ハーバード大学のウェルネスセンター(Harvard University Center for Wellness、現Center for Wellness and Health Promotion https://wellness.huhs.harvard.edu)で、自分自身のためにマインドフルネス瞑想を学んでいました。

(ボストン・チャールズ川)

その後、外傷性脳損傷を患ってからは、脳の損傷を修復するために仕事や家事を完全に休んで薄暗い部屋で脳をひたすら休める治療へ。その後、同大学病院の外傷性脳損傷専門医や、毎週のリハビリ治療でお世話になった外傷性脳損傷専門の理学療法士や言語療法士らから「瞑想をするように」と診察時に指示を受けることとなりました。

ボストンは、アメフトの全米チャンピオンにも輝くNFLチーム ニューイングランドペイトリオッツもいて、また退役軍人への支援も熱心に行われているところ。スポーツ選手や退役軍人、またボストンマラソン爆破事件の被害者などにもかかわる外傷性脳損傷の臨床や研究がおこなわれていて、頭部外傷への認識が米国の中でも深い地域だと思います。脳の画像を用いた瞑想の研究で一躍インパクトをもたらしたSara Lazar神経学者(ハーバードメディカルスクール/マサチューセッツ総合病院)もいらしたり、マインドフルネスストレス低減法 (MBSR) の発祥の地でもあったり、医療従事者もマインドフルネス瞑想の最新情報に触れる土壌があります。

薄暗い部屋で、会話やメールなども完全に休んでいる私は横になったまま、再生スピードをかなり遅く設定して、音量をできるだけ小さくして、何か月もの間、マインドフルネス瞑想のガイダンスを聴きながら静かにゆっくりと瞑想を重ねていました。本を読んだり画面を観たり音楽を聴いたりすることはできません。

マインドフルネスを長く指導なさっているJack Kornfield博士やTara Brach博士の瞑想ガイドや朗読だけをゆっくりと聴きます。そこから流れてくる言葉だけを、ただ聴くことだけが精一杯で、ほかのことを考えたりできる脳の機能状態ではないため、耳から入ってくる一語一句のもつ深遠さがそのまま心にしみわたります。

(マサチューセッツ総合病院)

朝目が覚めて、起き上がろうとするときも、自分に「さぁ起きよう」と、また、何かを考えるときには、「さぁこれから思考を頭に浮かべようね」とそっと、忍耐強く号令をかけて、からだを動かし、思考を動かしてみます。ひとつひとつの動作をすることは、もはや自動的にできてしまうことではありません。

歯を磨くー。「さぁ歯を磨こう」と意識し、自分に話しかけ「やってみよう」と優しく励ます。そして、歯を磨くには、まず歯ブラシがいるんだことを認識する、歯ブラシを目にし、歯ブラシを認識する、手を動かして「さぁとろう」、そして動かす、目でも追う、触る。ひとつひとつを意識して、ひとつのことだけ、わずかにがんばってくれている脳のエネルギーや機能を使いながらなんとか行う。歯磨きが1日の中でできる精一杯の脳の認知活動で、あとはまた脳の損傷の修復のためひたすら頭を休める。

当たり前だった日常のちょっとした動作。「頭もつかっていない単純作業」だとこれまでは思いこんでいた作業。普段のスピードで、普段の量の会話をすることも、果てしなく遠い−−。

「さぁ、今からひとつの言葉を思い浮かべ考えよう」というときも自然には思考は漂わず、努力がいります。そのため、瞑想をしていて、勝手に考え事や言葉が浮かんだときには、「あぁ、脳の損傷が少しずつ回復して、マインドがさまよえる力がよみがえってきた!」と、脳のその機能に感謝、感激したほどです。

 

(文・写真 Sanae Kishimoto)

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MSC5日間集中プログラム in 京都2018

国内で初めて5日間集中形式のマインドフル セルフ・コンパッション(Mindful Self-Compassion MSC)を、プログラム創始者のクリス・ガーマー先生(ハーバード大学精神科教室臨床心理学者 MSC共同開発者)と岸本早苗(京都大学 臨床心理士 MSC Trained Teacher)が講師となって、2018年11月9〜13日に、京都・関西セミナーハウスで開催します。詳細はのちほど。

(マサチューセッツ州アーリントン)
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