医学書院の専門雑誌・看護管理11月号「セルフ・コンパッション 〜リーダーが自分を思いやることで組織が豊かになる」特集の監修・執筆をしました。
2005年〜2015年のボストンでの経験を交え、ハーバードの大学病院 マサチューセッツ総合病院で産婦人科専任の医療の質の管理ディレクターをしていた経験などをもとに、セルフ・コンパッションやマインドフルネスについて概説しています。

「医療専門職の心の健やかさが医療の質・安全を高める」という視点に立ち、ハーバードなどで取り組まれている思いやりのこもったケア、思いやりのある組織文化のあり方、ハーバード大学の福利厚生の一環としてのマインドフルネスなどについても綴っています。
看護管理職のかたに限らず、セルフ・コンパッションやマインドフルネスについて基本的な説明や、科学的なエビデンスが報告されているマインドフルネス ストレス低減法、マインドフル・セルフ・コンパッションについてもわかりやすく紹介していますので、ご興味のある方にはぜひご覧いただけますと幸いです。
マサチューセッツ総合病院勤務時には日本ではまだなかなか関心を得られなかった本特集テーマでしたが、2年前に編集者・小齋さんとのご縁に恵まれ、本特集をあたため、小齋さんの深いご理解に支えられながら本特集を生み出せましたことを心より感謝しております。
事例を交えながら、マインドフル・セルフ・コンパッションでの自分を大切にする心のエクササイズも紹介しています。
マインドフルネスや自慈心に長く取り組んでおいでの川野泰周さん(精神科医であり臨済宗建長寺派林香寺ご住職)との対談では、東洋の奥深い知恵を科学・医療に応用するマインドフルネスやコンパッションに対しての懸念についてを川野さんにおたずねして、僧侶として、そして臨床医としての率直なお考えを教えていただいたり、援助職のありかたに寄り添う洞察、川野さんが企業と協働なさっているプロジェクトなどもきかせていただいています。
新型コロナウィルスの状況を踏まえ、オンラインでの対談となりました。対談にご快諾いただき、いつもながら知恵と慈悲に溢れたお話をしてくださいました川野先生に御礼を申し上げます。
以下Amazon書籍紹介文より抜粋:
解説|セルフ・コンパッションとマインドフルネス
一生懸命なあなたへ,自分をいたわるひとときを持ちませんか?
◎岸本早苗
コラム|マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)とマインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)について
◎岸本早苗
セルフ・コンパッションとリーダーシップ
医療専門職の心の健やかさが医療の質・安全を高める
◎岸本早苗
海外の医療機関におけるセルフ・コンパッションやマインドフルネスを取り入れた先進的取り組み
医療専門職のセルフケアからパブリックヘルスの視点での実践と研究
◎岸本早苗
3人の看護師長のケースで学ぶ
感情をコントロールできないときに,自分を大切にするためのエクササイズ
◎岸本早苗
対談|自分への気づきと思いやりが創造的な組織づくりにつながる
セルフ・コンパッションとマインドフルネス
◎川野泰周/岸本早苗
◆連載―――――――――――――――――――――
看護と倫理――尊厳を護るケアの担い手として◎石垣靖子
アートとケア――アール・ブリュットから受けとるもの
患者エクスペリエンス――もしも患者の内なる声が聞こえたら◎近本洋介
ラーニング・エイド――大学院ドタバタ留学記 in NY◎寺本美欧
明日を変えるコーチング◎勝原裕美子/山之上雄一
おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために◎柳田邦男
